東京から北海道への移住を考えたとき、やはり気になるのは気温ではないでしょうか。
「東京よりどれくらい寒いのか」 「札幌と地方では違うのか」 「岩内町は雪が多いのか、寒さが厳しいのか」
こうした疑問を持つ方は多いと思います。
この記事では、東京・札幌・岩内町の気温の違いを、実際に3か所で暮らした移住者の体感をもとに解説します。気象データと生活実感の両面からまとめているので、北海道移住を検討している方の参考になれば幸いです。
私自身、東京で生まれ育ち、その後北海道へ転職して札幌で約14年暮らし、2019年からは岩内町で生活しています。そうして感じるのは、東京と北海道はもちろん違いますが、同じ北海道でも札幌と岩内町では気温の感じ方がかなり違うということです。
この記事では、数字だけでは伝わりにくい体感の違いを中心に、岩内町・札幌・東京の気温差と、その中での暮らしの違いをまとめてみます。
結論から言うと、東京・札幌・岩内町は「寒い」「暑い」の意味が違います
先に結論を書くと、東京・札幌・岩内町では、単純に「どこが一番寒いか」「どこが一番暑いか」では語りにくい違いがあります。
東京は、夏の暑さと蒸し暑さの重さが印象に残る街です。 札幌は、東京よりかなり夏が楽で、冬はしっかり雪国です。 そして岩内町は、海に近い地域らしく、最低気温だけを見れば極端に下がり続けるわけではない一方で、風や雪の降り方で体感がかなり変わる地域だと感じます。
つまり、岩内町の気候は「ただ寒い」というより、風・空・雪・天気の変化込みで感じる冬という印象です。
気象データで見ると、東京・札幌・岩内町の差はかなり大きいです
気象庁の1991〜2020年平年値をもとに、3地点を比較すると以下のようになります。なお、岩内町の近隣観測点として「共和」のデータを使用しています。
| 指標 | 東京 | 札幌 | 共和(岩内町近郊) |
|---|---|---|---|
| 年平均気温 | 15.8℃ | 9.2℃ | 8.5℃ |
| 1月平均気温 | 5.4℃ | −3.2℃ | −3.4℃ |
| 8月平均気温 | 26.9℃ | 22.3℃ | 21.4℃ |
| 年間降雪量合計 | 8cm | 479cm | 643cm |
| 最深積雪 | 6cm | 97cm | 106cm |
冬は東京より明確に寒く、夏は東京よりかなり過ごしやすいというのが、札幌や岩内町側の大きな特徴です。
雪の面でも違いがあります。平年値では、年間降雪量合計は札幌479cm、共和643cmで、降る雪の総量は共和の方が多くなっています。一方で、最深積雪は札幌97cm、共和106cmで、こちらも共和の方がやや大きい数字です。
ただし、札幌は都市部で交通量が多く、大雪の日には除雪や交通機関への影響が大きく出ることがあります。数字だけでは、冬の暮らしやすさまでは判断できないと感じます。※札幌市は市域が広く、同じ市内でも地域によって雪や気温の感じ方はかなり違うはずです。
そして、岩内町では、風が強くて降り始めの雪はほとんど風で飛ばされてしまうので、吹き溜まって積もる場所と全然積もっていない場所とはっきりと分かれることがあります。
※気象データは気象庁「過去の気象データ検索」の2020年平年値を参照。岩内町の近隣観測点として共和のデータを使用しています。
東京の気温は「夏の重さ」が強く印象に残ります
東京で暮らしていた頃を思い出すと、まず強く感じるのは夏の暑さです。
ただ気温が高いだけではなく、湿気を含んだ空気が体にまとわりつくような感覚があります。北海道に住んだあとに東京へ戻ると、この空気の重さにあらためて驚くことがあります。
冬は北海道ほど気温が下がるわけではありません。それでも、雪に慣れていない都市で冷たい風を受けると、別の意味で寒く感じることもあります。暖房の効いた屋内と屋外の差も大きく、意外と体が疲れる季節でした。
東京は便利な街ですが、気温という点では、夏の消耗感の大きさがかなり特徴的だと思います。
札幌は「北海道の都市」として暮らしやすいです
札幌は北海道の中ではかなり都市的で、暮らしやすさと雪国らしさのバランスが取れている地域だと思います。
夏は東京よりかなり楽です。もちろん暑い日もありますが、東京のように何日も蒸し暑さが続く感覚とは少し違います。朝晩が比較的落ち着く日もあり、夏を乗り切る負担は東京より軽いと感じる方が多いのではないでしょうか。
冬はしっかり寒く、雪も積もります。ただ、札幌は地下鉄やJR、店の多さなど都市としての機能があるため、北海道の冬に慣れていなくても生活のしやすさがあります。
このように札幌は、北海道らしい気候を感じながらも、都市の便利さをかなり保っている場所です。
ただし、札幌は大雪の日に都市ならではの弱さが出ることもあります
北海道外の人は、札幌の方が都市だから冬も楽だと思うかもしれません。たしかに普段の生活は、岩内町のような地方より便利です。
しかし、冬に関しては、都市であることが逆に弱点になる場面もあります。
札幌市は公式に、新雪除雪は通常、交通量の少ない深夜から通勤・通学時間までの間に行うと案内していますが、同時に、明け方から急に雪が降りだした場合などは除雪が間に合わないことや、通勤・通学時間帯に重なって交通混雑や事故が心配されるときは作業を見合わせると明記しています。雪が多い日ほど「都市だから安心」とは言い切れない面があります。
出典:札幌市「生活道路の新雪除雪の出動情報」
実際、JR北海道は2026年1月の記録的豪雪について、1月25日に545本、26日朝8時50分時点で405本の列車を運休し、影響人員は約23万人だったと公表しています。札幌圏ではポイント不転換や車両ブレーキ装置の凍結も重なり、大雪が交通を一気に麻痺させる現実が見えました。
出典:JR北海道「記録的な豪雪による列車への影響について」(2026年1月26日)
岩内町は「寒さ」よりも「体感の変化」が印象に残ります
岩内町で暮らして感じるのは、気温の数字だけでは説明しにくい地域だということです。
海が近い地域らしく、札幌や内陸部と比べて、最低気温が極端に下がり続ける印象はそこまで強くありません。ただその代わり、風の影響を受けやすく、天気の変化も大きく感じます。
晴れている時間があると思ったら急に雪が強くなったり、穏やかに見えた日でも風で一気に寒く感じたりします。岩内町の冬は、単純な「寒さ」だけではなく、晴れ間と吹雪が入り混じるような変化の大きさが特徴です。
気温の数字だけを見れば札幌と大差ないように見える月でも、実際には空の見え方や風の強さで印象がかなり違います。
同じ北海道でも、札幌と岩内町はかなり違います
北海道の外にいると、札幌も岩内町も「北海道」として同じように見えるかもしれません。でも、実際に暮らしてみると、この差はかなり大きいです。
札幌は、冬の気温や積雪があっても、都市として整っている分、生活の土台があります。一方、岩内町はもっと自然の近くで暮らしている感覚があります。
札幌では「北海道の都市に住んでいる」という印象が強く、岩内町では、どちらかというと、「北海道の自然の中で暮らしている」という実感が強くなります。気温の比較記事というと、つい数字だけを見たくなりますが、移住を考えるときには、その気温の中でどう暮らすかの方が大事だと思います。
| 項目 | 札幌 | 岩内町 |
|---|---|---|
| 都市機能 | 高い(地下鉄・JR・商業施設) | 限られる(車中心の生活) |
| 冬の雪 | 積雪量が多く、大雪時は交通麻痺も | 降雪量は多いが風で飛ばされやすい |
| 風の影響 | 比較的少ない | 海風の影響を受けやすい |
| 暮らしの感覚 | 「北海道の都市に住む」 | 「北海道の自然の中で暮らす」 |
岩内町に住んで感じるのは、季節との距離が近いことです
岩内町に住むようになって、気温以上に変わったと感じるのは、季節との距離感です。
東京では、季節の変化はあっても、生活の中で自然を強く意識する時間は限られていました。札幌では四季をより感じるようになり、岩内町ではさらにその感覚が強くなった気がします。札幌から岩内町に移住してきた方の中にも同じことをおっしゃる方がいました。
空の色、雲の流れ、風の強さ、雪の降り方、海の表情。そうしたものが日常の中に入り込んでくるようになります。
これは便利さとは別の話ですが、岩内町に住んで人生が変わったと思える理由の一つです。
気温の違いを通して見えてくるのは、単なる寒暖差ではなく、暮らし方そのものの違いなのだと思います。
北海道移住を考えるなら「札幌の気候」と「地方の気候」は分けて考えたいです
北海道移住を考える人の中には、札幌のイメージで北海道全体を考えてしまう方もいるかもしれません。でも実際には、札幌と地方ではかなり違います。気温だけでなく、雪、風、移動、日常の景色、人との距離感まで変わってきます。
だからこそ、「北海道に移住したい」と思ったときには、以下の点を考えておくことが大切です。
- 北海道のどこに住みたいのか
- 都市の便利さをどこまで必要とするのか
- 寒さそのものより、雪や風や車生活にどう向き合えるか
私自身、東京から札幌へ、そして岩内町へと暮らしが変わる中で、同じ北海道でも感じ方がかなり違うことを実感してきました。北海道の暮らしのリアルを伝えて、北海道に合う人と地域とのマッチングを生み出すことは、発信の軸のひとつでもあります。
よくある質問
- 岩内町は札幌より寒いですか?
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年間平均気温はほぼ同じですが、海風の影響で体感が変わりやすい地域です。最低気温が極端に下がりにくい一方、風の強い日は体感温度がかなり下がります。数字だけでは測れない寒さがある、というのが正直なところです。
- 東京から北海道に移住すると冬の寒さはどれくらい違いますか?
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1月平均気温で比較すると、東京5.4℃に対し札幌・岩内町近郊は−3℃台と、約8〜9℃の差があります。ただし湿気の少なさから、体感上は数字ほど「辛い寒さ」と感じない方も多いです。むしろ東京の夏の蒸し暑さの方がきつかったと感じる移住者も少なくありません。
- 北海道移住で後悔しないために、気候面で確認しておくことは?
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「札幌=北海道全体」と思わないことが重要です。同じ北海道でも、地域によって雪の量・風の強さ・交通事情が大きく異なります。移住先の気候だけでなく、除雪の手間や車での移動が前提になる生活をイメージしておくと、現実とのギャップを減らせます。
- 北海道で一番寒いのはどのエリアですか?
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内陸部(旭川・帯広・陸別など)は最低気温が−20℃を下回ることもあり、道内でも特に寒い地域です。札幌や岩内町は沿岸・都市部のため内陸ほどの極端な寒さにはなりにくいですが、その分、雪や風の体感が大きく影響します。
まとめ|岩内町・札幌・東京の気温の違いは、暮らしの違いでもあります
岩内町と札幌と東京の気温の違いを比べると、単純に「どこが寒いか」だけでは語れません。
- 東京は夏の暑さと湿気の重さが特徴で、夏の消耗感が大きい。
- 札幌は北海道の都市として暮らしやすいが、大雪時には都市ゆえの弱さも出る。
- 岩内町は海の近さと風、そして季節の変化を身近に感じられる暮らしがある。
数字の比較だけでは見えにくい違いが、実際の生活の中にはたくさんあります。北海道移住を考えている方は、ぜひ「北海道は寒い」という大きなイメージだけでなく、どの地域で、どんな空気の中で暮らしたいのかまで考えてみてほしいと思います。




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