これまで考えていたことが少しずつ実現できてきました。
今の取り組みを確認する上で内容をまとめてみたいと思います。

移住定住コーディネーターとしてやるべきと考えている事

私が考えている事はシンプルに2点です。

1、移住者を増やすこと
2、移住者をフォローすること

基本はこの2つです。
実は、着任当初は「移住者を増やせばいいんでしょ」と考えていました。
でも実際は違います。
以前北海道庁で公表していた北海道に移住した方々のアンケート結果(平成29 年 4 月 北海道総合政策部地域創生局 地域政策課「本道への移住者に対するアンケート調査結果」)の中でも、「受入側の体制の構築」の必要性や「移住経験者、移住者の体験談をまず聞くべき、もっと親身になるべき。仕事と割り切っている方には向かない。」等の意見があがっていました。

移住者から移住前後の不満が多いのです。
私が個別に行っている「移住者インタビュー」の中でも同じような不満を聞くことも多いです。
いくら移住者が増えても移住者が不満を抱えていては意味がありません。
本来、これまでの生活をより良くすることを考えて、調べた上で移住をしてきているので、移住した当初に不満を持つことは少ないはずです。それなのに不満を持つというのは異常事態です。
岩内町の場合は、転勤で来られる方も多いので、少し事情が違いますが。

移住者が増えるために必要だと考えている事

岩内町積丹半島

移住フェアに出展してお話しを聞いたり、観光客や私の知人の意見、インターネットでの意見を聞いたりしていると、岩内町に移住を検討する人、もしくは2拠点生活を考えている人は意外に多いです。
「意外に」という言葉がとても曖昧ですが、1人いてもすごいことと私は思っています。
現在全国には1,700以上の市町村があるそうです。北海道だけでも179市町村。
(北海道が多く感じるかもしれませんが、北海道の面積は日本の面積の5分の1以上もあります)
その中で岩内町が選択されること自体がとても貴重なことだと私は思います。
「移住者が来る」ということを簡単に甘く考えている人が多すぎると感じています。
仮に自分が勉強や仕事で、1,700人と競争してトップを取ることを想像したら、それがどれほど難しいことか・・・。
1人の移住者から選ばれる市町村は基本的には1つだけ。トップの市町村にならなければいけないのです。

前置きが長くなりましたが、私が必要だと考えている事は次の3点

1、岩内町に、働き手を必要とし、生活できるだけの報酬を支払える企業が増える
2、起業を目指す人がすぐに入れる店舗が増える
3、自然が好きで地域にかかわらず仕事ができる人が増える

1は、明らかにわかっていることです。
移住フェアでも、最終的に出ることが多い話題。「で、働く場所ありますか?」と。

働く場所さえあれば、岩内町に移住してみたいという人は意外に多いです。
最近は岩内町の情報が増えてきているためか、よりそういう声が多くなっている気がします。

2について。これも、1と似ています。私が直接受けた相談ではありませんが、起業をしたくて町内を探しても店舗としてつかえる適当な物件がないという意見があります。
知らない土地で、1から全てを整えるということは大変でしょう。整っている町があるならそちらに行った方が早い。となってしまう。
繰り返しになりますが、1,700以上から選ばれるということは大変なことです。
北海道を希望するとか色々な条件があって、岩内町が優位に立てる面もあると思いますが、相手は人間、現実の生活を考えたら、理想ばかりを追える人は少ないです。
ちなみに、店舗だけではなくて、住宅についても同じことがいえます。
トイレが水洗化されていないなど、住みたいと思える住宅がないというは移住者募集を考えればかなりのマイナス。

3について。
1も2も、私はあきらめているわけではありません。
実際に地域おこし協力隊を卒業してから、企業の相談にのって事務所設置のお手伝いをしたという知人もいます。
2については不動産会社さんにお話ししたこともあります。
世の中には何が問題かわからないことが多く日々対策を模索している中、明らかにわかっている課題に何も手を付けないというのは論外の怠慢だと思っています。
ですが、それぞれ、まだ時間がかかります。

私がすぐに取り組めること。
これが、3番目です。
「町に仕事がない、起業する場所がない、だから移住しない」というのであれば、住む地域にかかわらず仕事をできる人に移住してもらえばいいということです。
なまなましい話題になりますが、リモートMRで半年の報酬300万円という求人が出ていました。
すぐに募集を締め切ってましたけど。

しっかりと収入の証明書を確認した上で、インターネットだけで月30万円以上を稼ぐ人が数百人所属するようなコミュニティもあります。

今はそういう時代だということです。
「自然が好き、美しい景色が好き、人とのつながりを感じられる町が好き」そういう人であれば、岩内町の生活を楽しめるでしょう。
着任以来ここへずっと注力してきています。
それがこのブログであり、YouTube。
そして最近ではInstagramの毎日投稿です。

岩内町で生活した未来を想像できること。それが大事だと思っています。
未来の見えない土地に移住なんてありえません。
そのためにブログで私の生活を書いています。
動画でなくては魅力が伝わらないと思ったものは動画化して、ブログ上にリンクを貼っています。
「いくつかの移住候補の町の生活情報を検索したけど、出てきたのは渡邉さんのブログだけだったので岩内町に決めました」
こう言ってくださった移住者さんもいるのです。
ちょっと気になって関心を持った後、もっと詳しく知りたいと思って検索する人は必ずいます。
重大な決断をするだけの動機付けには、やはり詳しい情報が必要なのです。
InstagramやYouTube、Twitterだけでは伝えきれない。
Instagramで気になったから調べてみたけど、大した情報も出てこないのでその後関心を失った。そういうことは大いに起こりえることなので、全てのメディアが必要なのです。

ところで、最近はInstagramに注力しています。
それは、移住者の方々の「景色が美しい、夕焼けが美しい、四季を感じられるのが素晴らしい」といった意見があり、私自身が同じように感じているからです。
ブログだけでは毎日の美しさ、四季の変化を表現できていないと感じたのでInstagramに注力することにしました。

そのため、Instagramで「毎日の景色」を投稿しているのです。
ブログなら晴れた日の美しい景色だけのいいとこ取りの紹介も可能です。
ですが、Instagramで毎日投稿していたらそれはできません。
でもいいのです。それが当たり前だから。
少しでも苦労した経験がある人なら、毎日が美しく楽しいイベントばかりの生活なんてことを期待したりはしないでしょう。
それでも、岩内町ではかなり美しい景色の中での生活を送ることができます。
町に自信のない人にはできないことです。自信があるから全て見せられるのです。

そして、毎日の風景を投稿することで、移住者が岩内町の魅力として挙げる「四季の変化を感じられる生活」も伝えることができるのではないかと思っています。

「自然の美しい風景の中で生活したい、四季の変化を感じられる生活を送りたい」という希望を持つ、どこに住んでも仕事ができる人に対して、岩内町の情報を届けることにまずは注力しています。
もちろんそういう方に情報を届ける方法は他にもあるでしょう。
私は、お金をかけずに、限られた期間の中で、私ができる一番効率のいい方法を考えて取り組んでいるだけです。

Instagramの毎日投稿は2022年の3月中旬頃から続けています。
2022年12月23日現在、Instagramアカウント@iwaunaiでの1か月のリーチ数(情報を届けられたアカウント数)は、12,742アカウント。
単純に考えると、1か月で全国1万人以上の方に岩内町の風景を届けられています。
そして、2022年4月頃から、Google検索で「岩内町」という言葉が検索される回数が、1桁増えています。
Instagramの影響とは言いません。
クラフトビールや一山本関の活躍など、要素はたくさんあります。色々な要素が重なったからこそ。
上にも書きましたが、1つではつながりがなくて関心が途切れてしまうんです。
色々なものが積み重なって、ある程度たまったところで初めて爆発的な効果を発揮する。
1を10個獲得できたとたんに、ボーナスポイントで10倍や20倍加算されるような感覚です。

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オンライン移住相談とオンライン移住体験

町外の人に向けての情報発信として、オンライン移住相談やオンライン移住体験も行っています。
この位置づけとしては別な記事に書いているのでここでは触れません。

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移住者フォローとして必要だと考えている事

一番始めに書いたように、活動の基本は「移住者を増やすこと」と「移住者をフォローすることです」
フォローすることにも力を入れています。

ただし、過度に干渉することは考えていません。
基本的には岩内町の生活に馴染むまでのフォローと考えています。
私がきっかけづくりだけ行えば、移住者同士で輪が広がっていくのではないでしょうか。
この町にはそれだけの人材がいて、力があると思っています。

そのきっかけづくりのために活用しているツールとしているのは、岩内町新規移住者LINE公式アカウントです。
移住定住コーディネーターと移住者とがつながるためのツールです。
別な記事で書いているので、ここでは詳しく触れません。
このブログからも登録できるようにしています。

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そして、実施しているきっかけづくりの活動の1つが移住者イベントです。
最近開催した「移住者お話会」は、始めた目的に合致するものになったと思っています。
移住者お話会は今後も毎月開催予定です。

移住者お話会についても別な記事で書いています。

コロナ禍の影響と、地域おこし協力隊の佐藤隊員が「fitnessCoCo憩エール」をオープンして店舗を構えたことから、当初考えていた方法を変更して、実施しているところです。

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移住定住コーディネーターとは直接には関係のない活動

移住定住コーディネーターとして直接関係ないことですが、私はこの町の課題としてネット活用の遅れということを感じています。
私は、2005年に転職して北海道に移住して来た時に、すでに毎月ネット放送による研修を受けていました。
事務所に出社するのはその研修のために集まる月1回で十分。
実際のところ出社しなくてもいいですが、せっかくなので、月に1回くらいはみんなで集まって飲み会でもしましょうという程度のものです。
ペーパーレス?リモート?
そんなものは当時からできて当たり前です。
印鑑なんてハローワークに提出するとか行政関係の書類以外に使ったことがありません。
会社では一切不要。
前に他の記事でも書いたと思いますが、iPad上で申請すれば、自動的に上司に「早く承認しなさい」という連絡が届いて、その時に、日本のどこかにいる上司に承認されて終了です。
iPadというとPCの手前の段階かと誤解する人もいるかもしれませんが、全く逆ですよ。
MRは常に社外にいるのが当たり前。
「PCなんて重いものを持たせるな」というMRの状況に配慮してPCをやめたのです。
PCを使用しなければいけない提出資料も基本的に禁止。MRの活動効率を落とすので。
必要なデータ関連の全て、会社独自で作成したアプリを使用してiPad上で作業することが可能。
徹底的な効率化です。

私は外資系企業だったので、中途半端な役職もなくシンプル。
直に課長職に承認されて終了です。
こんな広い北海道で事務所に戻らなければ仕事が進まないのでは話しになりません。
札幌や旭川、函館に住む周辺担当者以外は1週間ずっと地方のホテル暮らしなんですから。

そうなんですよね。
そういう状況と比べると、岩内町はもう20年近く遅れていることになる。

私が直近で勤めていたのは、時価総額の世界ランキングで現在TOP20の中に入る企業の日本法人。
そこと比べることがおかしいのかもしれません。

でもここは、例え特定の分野だったとしても、一時期だったとしても、世界をリードしてきた日本ですよ。

同じ日本国内なのに差が大きすぎます。
平成の始めの頃、時価総額世界ランキングのTOP20社のほとんどが日本企業だったんです。ところが今は日本企業が1社もない。確か100社でみても、トヨタ1社しかないはずです。IT社会に完全に乗り遅れたのでしょう。

日本の他の地域も、岩内町も人手不足。
少なくともITを活用して何ができるのかということを知って、可能性を広げる必要があるのではないでしょうか?

私の活動は基本的に紙を使用していません。
すでに5年以上前の北海道の移住者アンケートでも、99%の方がインターネットで移住先情報を調べたという結果がでていますし、岩内町内でインターネット(SNS等も)を活用する人を増やしたいと思っているため、私は紙を使いません。
私からの情報を拾うには、そのメディアを使わざるを得ないという状況を意図的につくっています。
そうすることで、私自身も、より役立つ情報を提供しなければいけないという気持ちが湧き、モチベーションにつながっています。

電子化することに始めは反発する人もいます。
ですが、自分でも簡単にできて便利だとわかったとたんに、これまでさんざん反発してきた人たちが、手のひらを返したように推進し始める。
逆にそうしないことに文句を言い始めるんです。
悪いとは思いません。人間誰しもそんなものです。

推し進めるべきところは推し進めるべき。

他方で、私は歴史好きで、多くの人が歴史を学ぶことを、とても重要だと考えています。

そのため、私の活動の中では、ネット活用と歴史的なものの保全に力を入れています。
転勤者(移住者)向け岩内町郷土館案内メニュー「岩案内(いわんない)」も郷土館で実施して頂いています。

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まとめ

私の活動方針は上のような内容です。

私の目指すべき仕事は、
移住希望者を騙して移住させることではありません。
町の魅力を伝えて、それが魅力だと共感して頂けるふさわしい人に移住して頂くことです。
移住者を無視して、町が嫌いだという人を増やすことではありません。
町の人たちと接点を持つきっかけづくりをして、移住者と既存住民が共に岩内町生活を楽しんで頂けるようにすることです。

ただ町の中を歩いているだけのおっさんと批判を受けることもあります。
そういう方には逆に聞きたいです。
自分の足で歩いて町を知ることなく、町内事業所など町の方々と信頼関係を築くことなく、その仕事ができますか?1,700以上の市町村の中のトップを何回取ることができますか?と。

挨拶だけ、電話1本だけ、書面だけ、そんなことだけで一緒に素晴らしい仕事の成果を達成することなんてできないことは、営業経験者ならすぐに想像できるでしょう。

そして私の側からしても、気心の知れない方に、私を信頼してくれた移住希望者さんや移住者さんのサポートをお願いすることはできません。

私が活動を考える時の起点は「移住希望者」であり、「移住者」であり「町民」です。
そこが中心でなければいけません。

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