北海道出身の人から素朴な疑問を投げかけられました。
「ただの崖でしょ?ただの展望台の景色でしょ?何がいいのかわからない」
北海道に住んでいたら確かにそうですね(笑)
でも東京に住む人がこれを聞いたらどう思うでしょうか?
北海道に来る前の私だったら「崖ってなんですか?」の世界なのですが。
移住相談するときはこういう点も気にした方がいいと思います。

東京では崖も平野も見たことがない人がいるけど北海道では近所にある

「ただの崖」とは?
北海道の人にとってみたら「ただの崖」かもしれませんが、東京には崖を見たことない人もいますよね?

岩内町に住んでいると、仕事場は家の近くというのが当たり前かもしれません。
でも東京に住んでいると、仕事場に行く時(電車通勤)が一番遠い外出という人が多いのではないでしょうか。
仕事以外の生活は駅と自宅の範囲だけでほぼ全て完結します。
駅から自宅まで10分~20分くらい歩くという人が多いと思いますが、その途中で病院から何から全てのものがそろってしまうので遠くに出かける必要なんてないし、その周辺に上の写真や下の写真のような大きな「崖」なんてものを見る機会は普通ないと思います。

自家用車を持っていない人も多いので、アウトドア好きや観光好きという人でなければ、ほぼコンクリートと人工的な植物に囲まれた中を生活している気がします。東京も広いので全てではないですけど。

私自身の生活でも川や池や公園はありましたが、それはほとんどないし、ほぼ全て人工物のように整備されていました。

もう全く覚えていませんが、私が日本の崖を知ったのは、テレビ番組だったのだろうと思います。
クライマックスシーンで犯人が最後に崖に追い込まれて、飛び降りそうになるところを警察に説得されて思いとどまって逮捕されるみたいな(笑)
「こんな場所あるんだ~。怖いけど見てみたいなぁ」と思ったものですよ。

もしかすると親に連れられて旅行に行ってその時に崖を見ていたのかもしれませんが、本当に記憶がないので、東京に住んでいて崖になじみがないという人は私以外にもいると思います。

何十年もほとんどみたことない、見慣れないものが近所にあったら、それは気になるに決まっていると思うのですが…。

展望台についてもそうです。
子供のころの一番身近な展望台は駅ビルの屋上でしょうか。
そこから見えるものって、眼下近くに迫るコンクリートのマンションやビル群です。

岩内町森林公園展望広場から

↑こんな景色は絶対に見ることができません。そうではないですか??
関東平野という日本一広い平野はありますが、23区で見ることができる景色は上のような景色ではありません。

でも例えば岩内町に住んでいると、こういう景色は車で15分くらいの範囲にあるんです。

田舎町に原風景を見る東京の人もいるのかも

私よりも上の世代の人たちだと、田舎町に原風景を見る人がいるかもしれません。

私は23区内出身ですが、子供のころには舗装されていない道路があったし、バキュームカーも使われていました。
畑もあったし、人工的でない自然もありました。
だから岩内町に住み始めたばかりのころに、「子供の頃こういう場所あったなぁ」と思い出したものです。
私よりも上の年代の人は、そのように感じる人がより多いのではないでしょうか。

岩内町に東京から来る方の中には「懐かしい」という感覚を持つ人もいるかもしれません。

まとめ

北海道で生まれ育った人と東京で生まれ育った私とこれだけ感じ方が違うのだから、自分の地元のことを外の人に紹介するというはとても難しいということはわかるし、移住の相談をする側としても目に見えていないギャップを想像することは難しいはずです。

先日東京で開催された北海道の移住フェアで、私が「東京出身です」と伝えた途端に身を乗り出して東京と北海道の違いを質問される相談者の方が何人かいました。

おそらく各ブースをまわって移住相談を重ねる中で感じているのだろうと思います。北海道出身の人との話のギャップを。頭の中で考えている前提が全然違うということを。それは通勤時間一つとってもそうです。私が東京出身だと知って安心して質問することができた人もいたのでしょう。

私が東京出身だということで、少しでもそういう相談者の方々の役に立てるのであればどんどん利用して頂きたいと思います。

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