移住希望者の方とお話しをしているときに、「あのマニアックなブログを書いているのはわたなべさんですか」と言われたことがあります。
そういえば最近はあまりマニアックなことを書いてなかったですね。
ということで、ちょっとマニアックな場所に行ってきました。
日本のアスパラガス栽培先駆者下田博士に関連する場所です。
宮園会館前にある頌徳碑(しょうとくひ)
今回訪れた場所は、岩内町の宮園地区。
写真の場所は宮園会館です。
建物の前に石碑が並んでいます。
石碑を正面から見てみました。
向かって左の頌徳碑には「楠母、孔母、孟母」と刻まれています。
楠木正成、孔子、孟子の母親が素晴らしい女性だったと讃えている碑でしょうか。
右の石碑には「創設者正四位勲三等丹羽七郎氏記念碑」の文字が読めます。
戦国武将に詳しい人なら「丹羽」という名前にはピンとくるでしょうか。織田信長の重臣丹羽長秀の一族の方のようですね。
丹羽七郎という方は、岩手県知事や埼玉県知事を歴任、内務次官も務めた方のようです。
さて、これは何の碑でしょうか?笑
女子教育の先駆者でもあった下田博士の足跡が残る場所
答えは、1936年(昭和11年)に北海道婦女実務学寮が建てられた場所です。
「楠母、孔母、孟母」の頌徳碑は当時からあったようですが、現在宮園会館前にあるものが当時のものかどうかはわかりません。
↓北海道婦女実務学寮については以前に少し書きました。
丹羽七郎氏と北海道婦女実務学寮の関係については、↓岩内町郷土館内の「北方赤新聞」の中でみることができます。
当時は内務次官だったようですね。
(岩内町郷土館は11月下旬から翌年4月上旬まで冬期間休館)
↑北海道婦女実務学寮の写真もあります。この光景が宮園会館がある周辺のかつての様子。
アスパラガス栽培等で得た利益をこの女子教育学校のために投じたそうです。
開館時間:午前9時~午後5時 休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日) 冬期間11月下旬~翌年4月上旬頃までは休館。
2022年は4月5日(火)オープン予定
観覧料:
一般(岩内町住民) 100円
一般(上記以外) 300円
学生および生徒 高校生・小中学生無料
まとめ
日本のアスパラガス栽培の先駆者として知られる下田喜久三博士ですが、女子教育でも北海道唯一といわれるような女子学校を設立したり、スケトウダラの肝臓からビタミンA抽出に成功したりなど、活躍は多岐にわたっています。大正時代に、アメリカ、フランスなど外国をまわってアスパラガスの研究をした人でもありますし、かなり先進的感覚も備えた方だったのでしょう。
ちなみにほかの記事でも書きましたが、下田博士の兄の下田豊松はボーイスカウトのオリンピックと言われる世界ジャンボリーの第一回ロンドン大会に私費で参加し、のちに全国統一組織「日本健児団」を創設し国際事務局を自宅に置いていたそうです。日本の初代チーフスカウトです。共和町の神仙沼を発見して命名した人物としても知られています。
以前に親族の方が書かれた本を岩内町郷土館で見せて頂いたことがあるのですが、現在冬季休館中のため詳しいところは確認できません…。
下田兄弟の話題を調べていると北海道や日本に多大な影響を与えていると思うのは私だけでしょうか?
小説やテレビドラマが1本作成できてしまいそうです。