12月から休館に入る岩内町郷土館、23日までは企画展「岩内古宇と樺太展」が開催されています。

あまり知られていないかもしれませんが、岩内町郷土館は、日本最古の鉄製炭車レールや日本最古のリードオルガン、北海道の名づけ親でもある松浦武四郎の自筆の裏書がある扁額など、日本の歴史的にも貴重な資料が所蔵されている資料館です。

先日、岩内町郷土館を訪れると岩内高校の生徒さんたちが資料の整理を手伝っていました。

岩内と日本の歴史を未来に残すための資料整理

岩内町郷土館は岩内町のみならず日本の貴重な資料を残す資料館です。

そんな貴重な所蔵品の数々を維持管理し、さらに調査していくのは大変な作業なんです。

この日インターンシップで訪れていた岩内高校の生徒さんと郷土館職員さんの作業を見ていただけでもそれがよくわかりました。

増え続ける資料をいつ誰から提供されたどんなものかということをしっかり記録に残し、さらに、劣化してきているものは磨いて奇麗にするといった作業を、所蔵品を壊さないように慎重に行っていました。

自分がその立場だったら、とても緊張する作業だろうと思います…。

実際、見るからに丈夫そうな樽を磨く作業を私も一緒にさせて頂いたのですが、それだけも恐る恐るやりました。

一見なにも問題ないように見えても、カビが発生したりもするのです…。

最近は空気清浄機を常時稼働させているのも当たり前ですが、それでも防ぐのは難しいんですね。

所蔵品を展示して維持管理していくのは想像以上に気を遣う大変な作業です。唯一のもの、もう元に戻せないものですから。

岩内町に岩内高校がある意味を考えた

今回はインターンシップということでしたが、決して高校生が体験させてもらってるというだけではなくて、岩内高校の生徒さんが手伝ってくれることで、岩内町郷土館の資料整理も進んでいたようです。

お互い様な感じなのがよかったです。

東京(23区?)に住んでいると家のすぐそばになかったとしても、何駅か先にはいくつも高校があるので、「あって当たり前」感があります。私の高校は千葉県にありましたが、一学年500~700人くらいいましたし、中高一貫教育で中学生もいた(しかも当時は男子校)ので、駅から学校まで歩く通学路では結構邪魔になっていていたと思います。同じ駅を利用する女子高がいくつかと県立高校もありましたし、高校生の人だかりがすごかったので、まあきっと、通勤する人たちからは存在を迷惑に思われていたことでしょう(笑)

でも田舎町ではそうではないんです。高校のない町ももちろんある。だから岩内高校の生徒さんの活躍を見ていると、岩内町は恵まれている町だなと感じます。

岩内高校がなかったら町の雰囲気はどうなっているでしょうか。どこかの町の高校から戻ってきて、バラバラな時間にバスターミナルから自宅に帰る、ひとりふたりの高校生を見るだけの街って結構寂しいですよね。(東京は高校生に限らず駅から帰ってくる若者たちがかなりの人数いるんです)

それこそ東京の人からしたら考えられない光景。仮に人混みが嫌だと思っていたとしても、あえてそういう街で生活したいと思うものか?景色が綺麗だとしても移住したいと思うものか?

もちろんそれでも移住したいと思う人もいるでしょう。

でも決して多くはないはず。

これから人生を左右する重大な決断として移住を検討するときに、あえて若者のいない街、言ってしまえば将来の見通しが暗いと感じてしまうような町を選ぶという人は少ないでしょう

移住を考えたときに、岩内高校があるということが、高校がない街と比べてどれだけ岩内町の魅力を増していることか。

まとめ

先日岩内高校の生徒さんの授業に関わる機会があったのですが、自分が高校生の頃にはこんなにしっかりしていなかったのに!とびっくりするほどしっかりした生徒さんばかりでした。

岩内町はまだまだ恵まれています。岩内町郷土館に限らず、各方面で活躍する岩内高校の生徒さんを見ていると応援せずにはいられません。