トヨタイムズという言葉は知っていましたが、YouTubeを見たことはありませんでした。
先日偶然視聴する機会があったのですが、労使交渉の内容がとても興味深くて、見入ってしまいました。
私の考えていることの全てではないですが、この中で語られていることのほとんどが私の考えていることと一致していたので、この企業に対する印象がかなり変わりました。
この選択、これからどのような結果になるのか個人的に楽しみです。

課題を真摯に分析して応える

私が視聴したのは、YouTubeで公開されている上の動画。
ボスとリーダーの違いについて確認したくて調べていたらたどり着けました。
30分ほどある動画でしたが、面白くて最後までみてしまいました。

何が面白いって、
私の言いたかったことを言ってくれているんです(笑)
この【個人的日記記事】シリーズを読んでいる方には少し理解して頂けると思うのですが、動画の中で語られている内容ほぼ全て、私も同意&賛同なんです。
組合側が言っていることも経営者側が言っていることもです。

もう観たことある人も多いと思いますが、組織で働く人には観て欲しい。そうそう!って思う点が多いのではないでしょうか。

動画を観てどういう企業かわかる

ビジネス

動画を観ていて、この会社がどういう企業か少しわかった気がします。
私は常々、原因の存在しない結果はないと言っていますが、この企業の結果というのは、まさにこのような取組(原因)から生まれているのだろうなと感じます。

組合側は会社の問題点を率直に語っているし、経営側もその問題点を共有できている。
会社として求める職員の姿も提示していますよね。

社長自ら「失敗という財産をどれだけ後輩に残してやれるか、それこそが執行役員・幹部職の仕事である」ということ、ふさわしくない人間を評価し、基幹職にしてしまった責任を感じているということを語っています。
会社が求める人材(リーダー)がどんな人材かということが伝わってくるのではないでしょうか。
恐らくこういうことを続けていくことで、企業としての文化・風土というものが出来上がってきて、ブランドとなるのではないかと思います。
たぶんこの会社は、長い歴史の中で培われた土壌があるからこそ、こういう話合いをして、それをYouTubeで公開するということができるのでしょう。今に始まったことではない。

私は日本企業も外資系企業も経験しているので、仮に外資系企業では可能でも、伝統的な日本企業では、このような率直な意見交換や、若い人たちの考え方に対して対等な姿勢で向き合うことは無理ではないかと思っていました。
でもそうでない会社がありましたね。

どこの組織も同じ問題がある

この動画を観ていて感じるのは、どこの組織にでも同じような問題があるのではないかということ。
若手の退職とか、技術部門の風土改革とか、こういうことってあるあるではないですか?

でも決定的に違うのは、こういう話合いを真摯に行って、自浄作用が働く組織かどうかという点じゃないでしょうか。

うまくいっている組織でも、自浄作用が働かず、勢いに任せてずるずると悪い方向に行ってしまうようでは、持続的な成果をあげることは難しいと個人的には思っています。

全ての人が等しく同じことを考えて、いつも成功しているなんてことはあるはずがありません。
全体ではなくとも、一部の部署だけが間違った方向に進んでしまうようなこともあるでしょう。
そのときに、進むべき方向に戻ってくることができるかが重要だと思うのです。

そういった点から、経営者側が一致して進むべき方向を示しているというのはとても大事なことだと思います。
チャレンジが大事、変化をしていくことが大事。
動画をみて私にはそういうメッセージも伝わってきました。

選択が正しかったかどうかはこれからわかる

このブログの中で書いたこともありましたが、成果をあげ続けるのに一番大切なことは、変化に対応できる力を身につけることだと思っています。
インターネットが全てを変化させ、これまで数十年かかった技術の進化が数年で起こっているといわれる現代において、変化に対応できることはより重要さが増しているでしょう。

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私個人的には、これまでの経験から、変化に対応できる感覚をある程度身に付けられたと思っています。(もちろんこれからも感覚を磨いていくことは大切ですが)
本当にそういう自信があるならば、実際に自分のスキルを証明してみれば?というのが前職を辞めた理由のひとつでもある。
一番大事なスキルだと思うものを身に付けるということは、今後の人生にとって必ず必要になるはずですから。

私がMRを辞めたというお話しをしたときに、「MRは大変だからわかるよ」と同情してくださる方も多いです。
でも、現役MRの方には申し訳ないのですが、私がMRをしているときに、MRの仕事がほかの職業に比べて辛いとか大変だなんて思ったことは一度もありません。
むしろ、同じ人間が職業を替えただけでこんなにも待遇改善するものかと思ったものです。

前職では、毎月目標数字の達成率が出されて、「全国で何位」という全国順位が発表されていました。
これが楽しくて仕方ない。
数字が悪いなら、そこには必ず原因があるんです。
その原因を見つけて分析して改善する。
それが良い結果として表れてくる過程が楽しくて仕方ない。
地方にいたって全国と勝負することができるんですよ。
この現代において、地方だから・・・というのはほとんどが言い訳に過ぎません。

そう、MRの仕事でも変化に対応することが求められます。

これもこのブログで書いたことがあるのですが、前職では「考え方が甘い、そんな偉そうなことは成績を上げてから言え」といわれたものです。

参考記事

きれい事ばかりを言って、そんなことで結果が出せるわけがないということを指摘されたのでしょう。
その当時の私のスキルが未熟だったことも理由です。

でも上の参考記事の中で書いたのですが、前職で考えを貫き通して仕事を続けた結果、全国上位の成果をあげ、表彰を受けることも何度かあり、チームリーダーというマネージャー職に昇進することもできました。

それまで私のやり方を批判していた一部の人からも「やっと時代が渡邉さんの考え方に追いついてきた」と言われたこともある(笑)

現在はやり方を変えていると思いますが、前職では、マネージャー(課長・チームリーダー)が課員を評価するシステムも、課員がマネージャー(支店長・課長・チームリーダーなど)を評価するシステムもありました。
もちろん評価の低いマネージャーは、降格の対象にもなり得ます。

会社のやり方についてアンケートをとるシステムもありました。
多くの人たちが日常不満を漏らすのに、そういう人に限ってアンケートにそれを書きません。
私は、それはおかしいと思うので、書くように勧めました。
でも、怖がって書かないんですよね。
個人が特定されて会社から悪い扱いをされるとかそんなことを気にして。

だから課のミーティングの場でも言いました。
「何か書いて、それで個人を特定して不利に扱うような会社なら、そもそもそんな会社にいる必要ないでしょ?そんな会社どうせ経営がうまくいかなくなるよ?潰れるのに20年くらいかかるかな。40歳、50歳になって会社がまずくなって放り出される方がもっと大変でしょ?だから、書くか早く辞めるかした方がいい。」
と(笑)

私が以前勤めていた会社は、もう創業から150年くらい経つ企業。昨年の時価総額の世界ランキングでTOP20の中に入っていました。
続くこと、高いレベルを維持することにはちゃんと理由があるはずです。

自浄作用が働いて、変化に合わせて対応できる文化もあるでしょう。
会社で定めた全世界共通の絶対的3つの価値基準、それに照らして、この点はおかしいのでは?そのようにアンケートに好き勝手に書いていた私の意見は、全て採り上げられて改善されました。その上マネージャーに昇進させて貰いました。私にとってはそれが何よりの証明です。

そんな私がこの労使交渉の動画をみて、面白いなと思いました。
この方向性が間違っていたのか正しかったのか、その結果は後になって表れることでしょう。

最後に

口だけ立派なことを言って、行動が伴わない人はたくさんいます。
それは組織にもあてはまると私は思っています。

上層部だけが理想的なことを語っても、現場がそのように動いていかないということもあるでしょう。
現場では、「あれは幹部職のパフォーマンスだから現場もそれを忖度してやってるようにみせておけばいいんだよ」
中にはそう考える現場責任者もいるのではないでしょうか。
だから、現場レベルまでしっかりと浸透し、求められている行動ができているのかということが重要です。
動画を観ている限り、それができる企業だろうなということを感じたし、この動画をYouTubeで一般に公開していることが、この会社の責任感、やる気、自信の表れではないかと思います。
私はこの会社に対する見方がかなりいい方向に変わりました。今までホンダ車しか買ったことなかったですけど(笑)

最後に、少し気になったこと。
自己啓発本をよく読んでいる方いますよね。
私も自己啓発本で人生救われたと思っているし、そういう方を否定する気は全くないのですが、動画の中で語られている「あるべき姿ばかりを追求する人」になってしまっている方いませんか?
考え方を身に付けた上でどう応用できるか、現実にどう落とし込めるか、ということが重要だと私は思うのです。
実践、経験が大事。
実践と経験を積み重ねた人は、自己啓発本に書いてあることなんて読まなくても、すでに身に付けているということも多いです。

あと、この動画観て気付きましたか?
もうすでに3年前の動画なんです。
ここで話し合われたことが、その後どのようになっていったのか。
結果は徐々に出てくるはず。
そういった点でも、気になる動画です。

それにしても、昔はテレビ取材でも入らない限り観ることができなかったものがこんなに簡単に観られるようなったら、うちの職場何か違うかも?と思ってよりよい職場に転職する人が増えるのも当然な気がします。
そして、同じことは観光や移住にもあてはまるかも。
人気のある町、人気のない町の差がはっきり出るかもしれません。
日本のトップともいえるような企業がこのように危機感を持って取り組んでいるのに、知られていないような組織が何も前進しようとしなかったら甘いとしか言いようがありません。
やる気のある町にとっては自分の町に合った人を呼び込めるチャンスの時代ですね。

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